スタインウェイピアノの魅力
世界中のピアノづくりの規範となっており、そのクラフトマンシップは
現在にも脈々と受け継がれています。
スタインウェイピアノ その構造からみた“音の秘密”
スタインウェイのアクションは鍵盤の動きをそのまま正確に弦に伝えます。この精緻なアクションを支えているのが、木材を充填したチューブ方式のアクションフレームです。エネルギーのロスを最小限に抑えてアクション全体が精密に機能します。
1本の弦を打弦したとき、その弦の自由に振動している範囲の、前と後の部分にも基音に共振させるようにしたもの。このことが他の要素と相まって類まれなスタインウェイ独自の華やかで豊かな響きが生まれます。
スタインウェイの鋳鉄製鉄骨フレームは、ピアノの共鳴増幅と耐久性にとって画期的な特許と言われており、響板に直接触れることなく木製のダボによって支えられています。緩やかなアーチを描いたこのフレームは、響板とフレームの間により大きな空間を生み出し、共鳴はそこで強められます。また鉄骨フレームは、約20トンもの弦の張力を緩和してピアノの耐久性を高めます。
駒部分から振動を可能な限り効率よく伝えるために、スタインウェイの駒は板を垂直に何枚も重ね、張り合わせて造られています。
スタインウェイを象徴する特許の一つで、弦の20トンにも及ぶ張力を受けるフレームの最高音部(トレブル)の補正をする為の重要な装置です。一般的にはその装置の形状からサウンドベルと呼ばれていて、A型以上のモデルに装着されています。
ピアノのリム(側板)は、ピアノの強度と音の共鳴の基盤となる重要な構造体です。継ぎ目のない無垢の堅い木(メープル)を5mmの厚さに製材した板を20枚(D-274)木目を水平に揃えて1工程で張り合わせ完成させます。一体成形と呼ばれるこの独特の工法は、ピアノ作りに最も重要な革新的技術の一つです。
スタインウェイの響板は振動膜の原理にのっとって造られています。厳選されたアラスカ産スプルース材を使用し中心部(9mm)から端にいくに従い厚さを薄くする(6mm)ことで響板に最大限の柔軟性を持たせ、響板全体での波動の伝達と拡がりを最適な状態にしています。
6枚の堅木メープルとブビンガ材の木目を45度ずつずらして張り合わせることにより、チューニングピンはすべての方向からの張力に対して最適な力で支えられ調律をより長く保つ画期的な技術です。